今回お話を伺ったのは、宮城県柴田郡大河原町を拠点に、仙南地方で不動産の売買・賃貸・仲介・管理を手がける有限会社 村建地所の代表取締役、村上則夫さんです。
不動産の売買は、価格や立地だけで決まるものではありません。所有者を調べるところから始まる土地、行政との相談が必要な土地、売主と買主の希望条件が離れている場面。村上さんは、一つひとつの状況を調べ、関係者の話を聞きながら、双方が納得できる着地点を探してきました。
20歳で父親を亡くし、宅地建物取引士の資格を生かして不動産業を始めた村上さん。創業期に他社が扱いにくい土地へ向き合った経験や、父親から受け継いだ地域の信用、売主と買主のあいだに立つときに大切にしていることを伺いました。
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仙南の土地と住まいをつなぐ仕事

現在の事業内容について教えてください。
不動産の売買や賃貸、仲介、管理が主な仕事です。なかでも現在は、土地や建物の売買仲介に携わることが多いですね。
売主さんから土地をお預かりして、家を建てたい方へ紹介したり、空き家を購入して分譲したりしています。
有限会社 村建地所では、大河原町をはじめ、柴田町、村田町、白石市、角田市、蔵王町など、宮城県南の物件情報を扱っています。土地・建物の売買や賃貸に加え、不動産査定やオンライン相談の窓口も設けています。
土地探しは、公開されている物件情報だけで完結するとは限りません。希望する場所に売地が見つからない場合でも、土地の状況や所有者を調べることで、相談を前に進められることがあります。
「この地域に住みたい」という希望を起点に、物件情報の外側まで調べることも、地域を知る不動産会社の仕事です。
他社が扱いにくい土地から始めた創業期
不動産の仕事を始めたきっかけは何だったのでしょうか。
父が司法書士をしていたため、私も父のもとで仕事を手伝いながら勉強していました。ところが、私が20歳のときに、父が病気で亡くなったんです。
家族のなかで自分が仕事をつくらなければと考え、勉強していた宅地建物取引士の資格を生かして、不動産業を始めました。
創業当時は、どのように仕事を広げていったのですか。
地元にはすでに不動産会社がいくつもありましたから、ほかの会社がすぐには扱いにくい仕事に取り組みました。
調べることが多い土地や、住宅を建てるまでに役所との相談が必要な土地などです。時間はかかっても、「どうしたら形にできるか」を一つずつ考えていきました。
不動産業を始めたばかりの村上さんが向き合ったのは、短期間では答えが出にくい案件でした。
土地の経緯や法令上の条件を調べ、行政や関係者と調整する。創業期に積み重ねた経験が、すぐに結論を出せない相談でも、まず状況を整理する現在の仕事につながっています。
父から受け取った信頼を、自分の仕事へ

仕事を続けるうえで、お父さまの存在はどのような支えになりましたか。
創業したばかりの頃は、営業に伺っても「どこの誰なのか」と警戒されることがありました。
そこで、父が司法書士をしていたことをお伝えすると、「うちもお願いしていたよ」と話を聞いてくださる方がいたんです。不動産は信頼関係が大切な仕事ですから、父が地元で積み重ねてきた仕事に助けてもらいました。
父親が地域で築いた信用は、創業したばかりの村上さんに、まず話を聞いてもらうきっかけをつくりました。
その機会を自分自身の仕事につなげるため、村上さんは目の前の相談に一つずつ向き合ってきました。父親から受け取った信頼を、自分の仕事で次へつないでいく。その積み重ねが、現在の村建地所を支えています。
土地の持ち主を探すところから始まった家づくり
これまでの仕事で、特にうれしかった出来事を教えてください。
希望する場所を自分で探し、その候補を送ってくださったお客様がいました。
こちらで土地の持ち主を調べ、交渉を重ねた結果、その場所を購入して家を建てることができたんです。
時間はかかりましたが、「お願いしてよかった。子どもたちとここで暮らせて幸せです」と言ってもらえたことは、うれしかったですね。
売りに出されている土地を紹介するだけが、不動産仲介の仕事ではありません。
希望する場所に売地がなければ、土地の所有者を調べ、売却の意向を確認し、条件を整理するところから始まる場合もあります。調査と交渉を重ねた結果、一つの家族が希望する場所で暮らせるようになったこの事例は、村建地所の仕事を象徴しています。
仲介そのものは、建物のように目に見える形で残るものではありません。しかし、その仕事がなければ実現しなかった住まいや暮らしがあります。
売主と買主、双方が納得できる着地点を探す

不動産仲介で難しさを感じるのは、どのような場面ですか。
売主さんは、できるだけ納得できる条件で売りたいですし、買主さんは予算のなかで購入したい。それぞれに事情があります。
双方のあいだに立つときは、希望だけでなく、どこまでなら受け入れられるかも丁寧に伺わなければ、着地点を見つけられません。
「自分の利益は、いちばん最後にしないとできない仕事です。誰かを泣かせるような形にすれば、長い目で見たときに評判にもつながりますから」
どちらか一方の希望を通すだけでは、納得できる取引にはなりません。
土地や建物の条件、周辺の相場、売主と買主それぞれの事情を整理し、双方が受け入れられる接点を探す。村上さんは、それが仲介会社の役割だと考えています。
不動産の売買は、多くの方にとって何度も経験するものではありません。相談する側には、「何を伝えればよいのか」「提示された条件は妥当なのか」「どこまで希望を伝えてよいのか」といった不安があります。
結論を急ぐ前に、希望する条件と譲れない点を言葉にし、必要な情報をそろえる。その過程を支えることも、不動産会社の重要な仕事です。
顔が見える不動産会社であるために
相談のハードルを下げるために、工夫していることはありますか。
不動産は大きなお金が動くため、初めて会社を訪ねる方は不安を感じると思います。
そこで、会う前に「どんな人が話を聞くのか」を知ってもらえるよう、YouTubeで情報を発信してきました。
実際にお会いした方から「動画で見たままですね」と言ってもらえると、続けてきてよかったと感じます。
村建地所は、YouTubeで「ムラケンの不動産大学」と「ムラケンの終活チャンネル」を公開しています。
物件情報や不動産に関する知識だけでなく、村上さんの話し方や考え方を相談前に知ることができるため、問い合わせを迷っている方にとっても判断材料になります。
村上さんは現在、ご家族とともに会社を営んでいます。土地を売る方、買う方、それぞれの事情を聞き、相談しやすい窓口でありたいと話します。
オンラインで情報を得られる時代だからこそ、最終的には誰に相談するのかが大切になります。YouTubeで顔や考えを伝える取り組みも、相談者との距離を縮めるための方法の一つです。
次の世代を見据えながら、変化に対応していく
これから、会社をどのように続けていきたいですか。
次の世代へいつバトンを渡すかも考えながら、私はまだ仕事を続けていきたいと思っています。
世の中や不動産を取り巻く状況は変わりますから、今あるものを大切にしつつ、フットワークは軽くしておきたいですね。
村建地所が続けてきたのは、目の前の土地や相談者の事情を調べ、簡単に答えの出ない案件にも向き合う仕事です。
難しい土地を前にしたときも、すぐに「できない」と決めるのではなく、まず状況を調べてみる。売主と買主の希望に隔たりがあるときは、双方の話を聞き、納得できる接点を探す。
地域や不動産を取り巻く状況が変わっても、こうした仕事の姿勢を大切にしながら、次の世代へつないでいきたいと村上さんは考えています。
仙南で土地の売却・購入、空き家について相談したい方へ
土地や建物の売買、賃貸、管理、空き家の扱いなど、不動産の悩みは、物件や相談者の状況によって必要な確認が異なります。
「土地を売りたいが、何から始めればよいか分からない」「希望する地域で土地を探している」「空き家を今後どう扱うか迷っている」といった場合も、まず状況や希望を整理することが相談の第一歩です。
有限会社 村建地所では、来店のほか、オンラインでも相談を受け付けています。
仙南で不動産について確認したいことがある方は、取り扱い内容や現在の物件情報、問い合わせ方法を公式サイトで確認してみてください。
有限会社 村建地所の基本情報
| 会社名 | 有限会社 村建地所 |
|---|---|
| 取材対象者 | 代表取締役 村上則夫さん |
| 所在地 | 宮城県柴田郡大河原町大谷字町向135-2 |
| 主な事業 | 土地・建物の売買、賃貸、仲介、管理など |
| 営業時間 | 9:00〜18:00 |
| 公式サイト | https://muraken.com/ |



